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 私は鉄の板を手でまげている。硬い感触が、かたちをつくっていく。
 硬度に衝突する中で、どうにもできなかった痕跡と、望んだかたちの間隙には目には見えないどうしようもない引き合う力がある。

 かたちは望んだところではない別のところに誤配され、作ることと作られることの間に漂っている。間隙に漂うかたちは硬く、軽い。

 それは景色の様になんでもないのかもしれない。鉄の硬度の中で、曲がらなかったかたちに愛着を覚えている。

 

2023/11 ​高松威​

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